Career Leaves ブログ

キャリアプランを真剣に考えたいあなた、失敗しない転職活動をしたいあなたと向き合い、共に考えます。

仕事の達成感はありますか

私はこれまで20数年の「会社員」人生、留学を挟んで2度の転職をしましたが、わりと運がよかったと思っています。新卒で勤めたNTTでは電話局の営業に配属され、苦情処理の電話に追われ、料金を滞納したヤクザさんを追いかけて3年。仕事から逃げない堅実さ、文章力が買われ、ユーザーマニュアルの改善手法を研究するプロジェクトで6年。コミュニケーション理論を追求したいと米国の大学院に留学し、現地の会社で1年弱働いた後、帰国し、冨士ゼロックスでLocalizationプロセスの構築などの仕事に8年取り組みました。そしてマニュアルに関してできることはやり尽くしたと感じ、これまでの経験を人材の育成やサポートに活かしたいと現職であるエグゼクティブサーチファーム(人材紹介会社)のコンサルタントに身を転じました。

運がよかったと申しましたが、そのときどきのポジションで自分がすべきことはした、それができる環境にあったという意味であり、常にやりたい仕事に恵まれて計画どおりのスキルを身につけ、納得のいく評価や地位を得たということではありません。恥ずかしい失敗、思惑違い、納得できない処遇もいくつかありました。特に20代の頃は、明確なキャリアプランなどはなく、偶然の積み重ねでキャリアを積み、当初の希望(新聞記者か絵本編集者になりたかった)から、文章を書くという点においては外れてはいないけれど近くもない道を歩んできました。

ただひとつだけ、心がけてきたことは、好むと好まざるとに係わらず、受けた仕事は責任をもって遂行し、私なりの成果をあげてきたことです。常に後進育成を意識し、引継ぎ資料をまとめ、後任に託すことを、転職・転勤の機会に必ず実行してきました。その作業を通じて、自分が会社組織に貢献したこと、スキルとして身につけたこと、そしてできなかったこととその原因を意識に刻みつつ、自分なりの達成感または、自分のいたらなさの自覚を含め納得感をもって次の仕事を選択し、新しい職務に臨むことができました。今から振り返ると、この「達成感」または「納得感」が自分のキャリアを考えるキーファクターでした。そしてゆっくりと、コミュニケーション、人材育成といった私なりのキャリアのコアが確かなものになっていったように思えます。

現職に取り組んで以来、若い方のキャリア相談の際、責任のある仕事をさせてもらえない、今の仕事ではスキルが身につかない、早く結果を出したい、という焦りをよく聞きます。しかし半年、1年で成果を形にできるものではありません。この仕事をすればこのスキルが身につくという単純なものでもありませんし、取り組んでスキルが身につかない仕事などないような気がします。たとえば、担当者としてプロジェクトに参加しても、プロジェクトリーダー業務は学べるはずです。要は、今の仕事で目標にする成果とそれを達成するプロセスはどんなものか、その業務を通じて何を学び取るか、そのStrategyをもって仕事に臨んでいるかどうかの問題です。

まずは自分なりのStrategyをもつこと、与えられた仕事を着実こなすことに注力してみませんか。達成感がもてるまでそれをすれば、スキルは気づかないうちに身についているはずです。さらに、自分はこれだけのことをできた、という自負も生れます。新たな仕事に取り組むとき、何か困難に直面したとき、この自負は大きな力を発揮しますよ。一方、達成感のないまま転職すると、仕事に不満があるとき、困難に直面したとき、対人関係に悩むとき、転職という文字がちらつきます。言わば“逃げ癖”がついてしまいかねません。達成感がもてるまで頑張るとすると5年、最低でも3年くらいは必要でしょう。そんなに待てないとお感じかもしれませんが、約40年の「会社員」人生のスパンで考えると案外、自己実現の早道ではないでしょうか。そして、そうした達成感を経験した人こそ、転職する・しないに係わらず、企業が求める好ましい人材の条件なのではないでしょうか。

仕事の達成感を得たい、スキルアップをしたいがどのように取り組めばよいのかわからない、今の会社は遣り甲斐を感じられない、転職すれば環境が変りうまくいくのでは? と転職を考え始めている、失敗しない転職をしたいがどうすればよいのかわからない・・・。程度の差こそあれ、社会人の皆さんがそれぞれに悩みを抱えながら日々の仕事に取り組んでいることを、人材コンサルタントの仕事を通じて改めて認識しています。

Solving a problem means changing yourself!

問題を解決するとは自分自身を変革すること。留学時代の恩師のことばです。それは、ギャップを埋めるために状況に自分を合わせるというようなことではなく、課題を解決するという行為を実行する自分に、時に勇気と決意をもってそのアクションを起こせる自分にマインドを変えることです。行動を起こすのはあなた自身であり、求めれば道は拓けるはずです。より有意義な社会人人生の道を拓きたいと思うあなた、私共のコンサルティングを受けてみませんか。