Career Leaves ブログ

キャリアプランを真剣に考えたいあなた、失敗しない転職活動をしたいあなたと向き合い、共に考えます。

40代、50代の転職活動のしかた

最近、40代、50代の方々から転職活動の相談を何件か受けました。自分でキャリアを振る最後のチャンスと思い切られた方、早期退職制度に乗られた方などです。30代の頃やリーマンショック以前に転職体験があり、それなりに転職のしかたを心得ているとご本人は思っていただけに、様変わりした転職市場と想像以上の厳しさに皆さん驚いておられました。

驚きの第一は、人材紹介エージェントに登録しても、エージェントが会ってくれないことです。「現在、ご希望に副う案件がありません。適する案件が出てまいりましたらご連絡します」、と返されて、その後はなしのつぶてになるケースが多いそうです。第二に、やっとエージェントと面談できても、キーワード・マッチングで出してきた求人案件を紹介するのみで、転職活動のしかたや職務経歴書の書きかたなど、アドバイスしてもらえないことです。エージェントの担当者は20代から30代前半で、この人は自分がしてきた仕事を理解しているのだろうか、と不安になることが多いそうです。

多少回復したとはいえ、求人は35歳くらいまでの現場クラスの募集が大半で、マネージャークラスの案件が少ない現状がまずあります。加えて、人材紹介エージェントは過当競争で、企業側も多くのエージェントと契約していることもあり、紹介はスピード勝負です。今追いかけている若手案件に合いそうにない求職者に会う時間はない、というのが人材紹介エージェント側の本音でしょう。

インターネット経由の求人システムの発達に伴い、面談で求職者の特徴を把握し適する案件を紹介するキャリアコンサルティングベースのやりかたから、データベースを駆使したキーワード・マッチングによる紹介が主流になりました。キャリアコンサルティング能力や業界知見よりも、ネット検索に長けフットワークが軽い若手エージェントのほうが、単価も安いですので人材紹介エージェント側は作業効率がよいことになります。

さらに第三の驚きは、応募しても書類が通らないことです。かつて経験した転職のときよりも、すっとハードルが高くなっている、と皆さん感じておられました。筆者の感覚で言うと、リーマンショック以前は、企業側が求める要件が5つあるとすると、3つくらいの要件が合っていれば書類は通り、面接でいかに溝を埋めるかが勝負どころでした。しかし今は、5つの要件をすべて満たしていることが職務経歴書上見えないと、なかなか面接に進めないのです。採用要件を高くしても選べるくらい、求職者が巷に溢れている買い手市場が続いているのです。また、決められた期日までに必ず採用する姿勢から、人は欲しいがピッタリの人材が見つかるまでは採用しない方針に企業側が変っているように見えます。

では、こうした厳しい現状で、40代、50代はどのように転職活動を進めればよいのでしょう。結局は、基本に忠実に、ということになると筆者は考えています。当たり前のことですが、中途採用は「経験者採用」であり、即戦力性が求められます。

職務経歴書を書き直す

職務経歴書こそが、あなたのプレゼンツールです。書類審査が通らないことには話になりませんので、まず通す工夫をすること。つまり、職務経歴書に自分がしてきた業務と成果、その成果を挙げた根拠、その経験から得たスキル、それらを活かして今後どう貢献するかを具体的にまとめることです。そんな話は面接ですればよい、と思われるかもしれません。しかし、書類審査のハードルが高い現状では、書類にそれらを表さないと先に進めないのです。

人材紹介エージェントとうまく付き合う

仮にエージェントの担当者が頼りないとしても、それを嘆いても始まりません。自分が得意なことや適するポジションを教え諭すくらいのゆとりをもって、でも謙虚な姿勢でエージェントとの面談に臨んでください。上記の職務経歴書はあなたをエージェントに説明するツールにもなります。そして、あなたのことを理解し、人として信頼してもらえれば、それ相応に動いてくれるのではないでしょうか。

また、志ある人材紹介エージェントは、今でもいらっしゃいます。必ずそうとは言い切れませんが、規模が10名以内と小さめで、エージェントも40代以上が多いところを探してみてください。キャリアコンサルティングベースで対応してくれることが多いです。そうしたプロフェッショナルなエージェントの方が、シニアクラスの求人案件も多いでしょう。と言うのも、マネージメント層の求人は、企業側としては大っぴらに募集したくありません。大手エージェントに依頼するよりも、付き合いが長く信頼できる一部の小規模エージェントのみに依頼するケースがよくあるからです。

求人案件を吟味する

募集要項を読めば、明らかに30代前半までの担当者クラスを想定している案件と、マネージャークラスの案件との区別はつきます。いかに能力のある方でも、若手を想定した案件に応募しては書類が通りません。転職活動中、応募する案件がない状態は不安です。が、その焦りに負けず、安易にエージェントの勧めに乗らず、自分に適する案件を吟味し、見つかったら企業側が求めることを徹底的にリサーチして、職務経歴書もそれに合わせてカスタマイズして応募することです。応募機会が若手ほど多くない分、集中して1つずつ大切に準備してください。

マインドを健康に保つ

そして、なによりも大切なことは心の健康です。転職活動中はさまざまな不安がよぎり、焦燥感にかられ、落ち込みます。しかし、マインドが落ちた状態で面接に臨んでも、力は発揮できません。このシリーズの「4:長期化する転職活動を乗り切る」で詳述していますので、ご参照ください。

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