Career Leaves ブログ

キャリアプランを真剣に考えたいあなた、失敗しない転職活動をしたいあなたと向き合い、共に考えます。

ネット検索ワードからキャリア課題を読む2

前回は、キャリアリーブスのサイトにアクセスなさった方々の、ネット検索キーワードを世代別に分析しました。今回もその続きです。

女性:仕事と家庭生活の狭間で

全体の1.4%と数は多くありませんが、「女性」に限定して、「女性、転機」のような組み合わせでアクセスなさった方々もいらっしゃいます。「キャリアチェンジ」「結婚」「夫、転勤」などワードがほとんどです。結婚にまつわる課題は女性だけの問題ではもちろんありませんが、育児にしても家事にしても、どうしても女性に負担がかかります。結婚や子育てに起因する生活条件の変化に伴って、キャリアの見直しを迫られ、苦悩する働く女性像が浮かび上がります。

システムエンジニア:生き残りを賭けて

営業や人事など職種を絞った検索ワードは各数件だったのに対し、SE(システムエンジニア)に限定した検索が全体の4.0%ありました。営業・事務系職種と異なり、求められるスキルや仕事内容が特殊ですので、SE特有の悩みがあるのでしょう。「キャリアプラン」「将来、不安」が目立ち、「40代」という世代限定ワードを入力した方も多いです。開発の第一線から管理や後進育成に、いかに自身の役割をシフトさせるかが生き残りの命題です。その分岐点である40歳前後で、苦悩するSEの姿が浮かび上がります。

現職企業:将来への不安を抱きつつ

「会社」という第一キーワードを使ったり、現職企業にいることに課題を感じていることが窺えるワードの組み合わせは、全体の5.7%ありました。自分のプライベートなキャリア課題という視点よりも、キャリア形成上で「会社組織」という外部環境に課題を感じていることを動機としたアクセスです。

「会社の将来像」「将来、不安」が多く、「年功序列」「期待役割」などこのカテゴリーユニークなワードもあります。自ら進んで転職を選択しない限りずっと現職に留まれるもの、という漠とした前提に立ち、特にキャリア形成を意識せずに日々働いている方々も多いことでしょう。しかし、そんな方々も、終身雇用が崩れつつある状況を肌で感じ、企業自体の将来に不安を抱き、年功序列への閉塞感の中で、リストラされないよう企業内で生き残りを模索する姿が想像できます。

早期退職:出るも地獄、残るも地獄

早期退職勧奨に関するアクセスも全体の1.7%ありました。「うけるべきか」「メリット・デメリット」などの戸惑いと共に、「地獄」「絶望的」などの切実な苦悩を表すワードが並びます。リストラという問題に現実に直面する方は、社会人全体からするとたぶん0.1%にも満たないのではないでしょうか。それにも拘らず、アクセスの1.7%を占めました。

まさか、そんなはずはない、と思いつつ、今やそれはニュースで耳にするだけの他人事ではありえません。早期退職の主な対象者は、40代半ば以降の世代です。単に職業キャリアの問題だけでなく、結婚なさっている方でしたら子供の教育、住宅ローン、さらには親の介護と仕事以外の役割や負担が大きい世代です。しかし、リストラの備えを十分にしてきたかというと、そうではないでしょう。

転職活動:棚卸がカギ

「転職、強み、弱み」のように「転職」というワードを含むアクセスが、全体の28.2%過ぎないのは意外でした。キャリアリーブスのサイトが転職活動ではなくキャリア形成に関するコンテンツが多いことも要因と思いますが、転職が前提ではないキャリア課題への関心が、その分高いとも言えます。

キーワードとしては「キャリア」というワードのカテゴリー同様、「強み、弱み」との組み合わせが最も多く、「職務経歴書」「面接」「転職相談」と転職活動にまつわる作業との組み合わせが続きます。自分を棚卸して、適切に評価してもらうことがポイントであることは、これまでも、これからも変わりません。さらに、「長期化」「氷河期」など転職活動の困難さを想像させるワードもあります。

また「転職」を含むアクセスの中で、「有料、転職相談」のように、転職に関して有料のコンサルティングサービスを探すアクセスが23.9%に上りました。人材紹介会社ではない、つまり案件紹介のためではないニュートラルな立場からのアドバイスを求めてのアクセスです。

材紹介会社:頼るべきか、頼らざるべきか

上記に絡んで、人材紹介会社への不満を表すアクセスが、全体の1.7%ありました。「人材紹介、不満」のような組み合わせです。「不満」「実態」「案件ありき」「同じ案件」などのワードがあります。キーワードだけですので不満の詳細までは分かりませんが、案件ありきの対応や、複数の人材エージェントから同じ案件を紹介された際の戸惑いが想像できます。人材紹介会社に不信感を抱き、実態をしりたい、というニーズからのアクセスと考えられます。

以上、キャリアリーブスのサイトアクセスから垣間見られる社会人の皆さんのキャリア課題について書きました。前回説明した、20代はキャリアチャンジ、30代は現状への不安、40代、50代は人生という視点からの挑戦という世代別の傾向は、キャリアコンサルタントとして私自身にとっても興味深い結果でした。