Career Leaves ブログ

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分析事例1: キャリアは必然的偶然の積み重ね

手前みその話で恐縮ですが、筆者の自分史から分析事例を説明したいと思います。無料メルマガ・セミナー「キャリア形成を考える」では、キャリア形成の観点から筆者の自分史を分析しました。すでにご購読いただいた方もいらっしゃると思います。一部重複しますが、ここでは視点を変えて自分史から考えてみます。

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筆者は学生時代、新聞記者、それも華々しい全国紙ではなく沖縄の地方紙の記者になることが夢でした。近現代史に関心があり、戦後日本の歪が集中している沖縄で何事か貢献したいという、青臭い思いがありました。しかし、学生時代は準備不足で、数年以内に新聞記者になる心づもりで、たまたま採用になったNTTに、民営化一期生として入社しました。まず電話局の料金回収担当部署に配属され、働きながら勉強もし、2年後に沖縄の新聞社の採用試験を受けましたが、希望は叶いませんでした。

さてどうしたものか、と思案していた矢先、多機能電話機などのユーザーマニュアルの改善手法を研究するプロジェクトの発足に伴い転勤になりました。勤務する会社は変わっていませんが、キャリアという意味では1度目の「転職」です。技術情報を分かりやすく表現する手法の研究は殊のほか興味深く、以来、米国留学を挟んで約17年、ユーザーマニュアル制作の仕事に携わってきました。この間、富士ゼロックス社に転職しましたが、職業を替えたというよりも勤務先を替えただけですので、転職というよりも「転社」です。

私が名実ともに2度目の転職、つまりキャリアチャンジをし、現在の人材コンサルタントに転じたのは、2006年です。マニュアルに関してできることはやり尽くした感があり、現場から遠ざかり予算や人を管理する仕事に倦怠を覚えていました。これからの40代後半、50代、さらにもっと先、社会人としてどのように過ごせれば自分が納得できるのか、悩んだ結果でした。ぼんやりと人材育成に係わる仕事がしたいと考えていましたが、40代になった自分にできる仕事があるのか、転職市場で価値ある人材なのか、専門家の意見が聞きたいと、ある人材紹介会社のコンサルタントに相談に行ったことがきっかけです。その際は、自分がいわゆるヘッドハンターになるなど夢にも思っていませんでしたが・・・と続き、現在に至ります。

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私が実際に書いた自分史はA4サイズの用紙に十数枚ですので、上記はかなりはしょった略歴に過ぎませんが、流れはお分かりいただけるかと思います。皆さんはこのキャリア遍歴を読んで、どんなことを感じますか?

本人の希望は叶わず、明確なキャリアプランもなく、偶然の積み重ねで職業体験を積んでここまで来たと思いませんか。一方で、当初の希望(新聞記者)は実現しませんでしたが、一貫してコミュニケーションに係わる仕事をしてきたという意味で、まったく外れてはいない道を歩んで来たようにも思いませんか。

新聞の時事問題、マニュアルの技術情報、現在の人材やキャリア形成と取り組む分野が異なるだけで、コミュニケーションというテーマが常にその根幹にあり続けている、と自分史を書いて改めて自覚しました。これは偶然の積み重ねの結果であり、私が内面で求め続け、行動してきた必然でもあるような気がします。次回、このことについてもう少し掘り下げてみます。

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