Career Leaves ブログ

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あなたの本気度が決め手になります

採用する側が、この人に来てもらいたい、と思うのはどんなキャンディデイトでしょう。もちろん、該当業務を遂行するためのスキルや経験があることは基本的に求められる要件ではありますが、「この人にこそ」と心を動かすポイントは、その候補者の「本気度」と言いますか、やる気、腹のくくりだと思います。言い換えると、こんな人を自分の同僚・部下にしたいと思わせる何かです。それはことばとしての、御社が第一希望です、頑張ります、という意志表明ではありません。面接官は、さまざまな質疑のなかで、時に他愛ない世間話のようなやり取りのなかで、あなたの本気度を探っています。意図的に探っているというよりも、本気度が感じられる候補者との出合いを待っているというほうが正確かもしれませんが。

ではこの本気度をどのように面接官に伝えればよいのでしょう。ここからの話は、あなたがその企業で働きたいと真剣に考えて面接を受けていることが前提です。人間は、都合の悪いことには結構敏感なものです。人材紹介会社から勧められたので試しに受けてみた、他の企業が第一希望だが多少興味はあるので応募した、程度の気持ちで面接に臨んだ方は、どう繕っても早晩、見透かされてしまいます。

あなたができること、したいことが明確に整理できていて、その企業のポジションに可能性を感じているなら、まず自分がその企業で働いている姿をイメージしてください。募集要項などの情報から、「そのポジションはこんな仕事で自分にはこんな役割が期待されている。その業務を遂行するに当たって、こんな障害がありそうだ。それを克服するには、こんな戦術で、こんな動きで取り組むとよいのではないか。」あるいは、「こんな業務なので、自分のこんなスキルや経験を活かしてこんな役割で、こんな仲間といっしょに取り組んで、こんな成果をあげたい、こんなことを実現したい。」さらに「ここがこの企業の課題なので自分ならこうする、5年後、10年後にはこんなふうになりたい」、というようなイメージです。

そうしたイメージと合致するように、またはそのイメージを実現するポテンシャルがあることを含めて表現することを意識して、「(2) 面接では基本的なことが質問されます」で説明した5つの答えを用意してください。応募したポジションの仕事のイメージをもてれば、その仕事に求められる経験・スキルがどのくらいあるかという観点で、効果的にご自身の経歴を説明できます。

面接は、面接官が質問し、候補者が答える、次の質問に移るという一方通行のものではありません。もちろん喋りすぎはよくありませんが、ある程度会話のキャッチボールを経てお互いに理解が深まるものです。たとえば、「このポジションではA、B、Cの3つの業務を担当していただきます」と言われて、「はい、わかりました」で終わったとしたらあなたの本気度は伝わりません。「A、Bについてはこのような経験・実績がありますので、十分即戦力になります。Cについては経験が浅いので、入社後このようにカバーしていきたいと考えています」と返せば、あなたの真剣な姿勢が伝わるはずです。これは、その企業で働くイメージと、できること・したいこととの連関ができているからこそ、返せる答です。さらにこうした受け答えにより面接官の理解も深まり、Cが弱いなら入社前にこれを勉強しておいてください、Cは別の社員が補ってその代わりにDをしてもらいましょう、という話に発展するかもしれません。

面接の最後では、何か質問はありますか、と聞かれますね。仮に、今後の事業展開について訊きたいとき、「御社の今後の事業展開について教えてください」では、新卒の面接じゃないんだから、そんなこと事前に調べておけよ! と思われかねません。「私は御社の事業展開についてこのように理解していますが、この分野について具体的に教えていただけますか」、「今後の事業展開に関してこの点が課題と考えていますが、御社の取り組みについてご説明ください」と、あなたの理解・意見を含めてその先を問う質問をすれば、やはりあなたの真剣な姿勢が伝わるはずです。さらに、事業展開について教えてください、ではあまりに漠然としすぎていて事業のどの部分を説明すれば求める答えになるのか、先方には分かりません。こうした的を衝いた質問をすることで、あなたにとってこの企業が相応しいかどうかを判断するための情報も引き出せます。

以上のように、ことばの意味でなく《姿勢》で示してこそ、あなたの本気度が伝わります。そしてこうした対応を経て、人柄も含めて、あなた自身のことを相手に理解してもらうことができるのではないでしょうか。面接のゴールは採用通知をもらうことではありません。過大評価でも、過小評価でもなく、適切にあなたのポテンシャルを判断してもらい、無理のない、双方にとって納得できる役割・ポジションで合意し、入社後に企業側が期待する成果を着実に挙げることです。