Career Leaves ブログ

キャリアプランを真剣に考えたいあなた、失敗しない転職活動をしたいあなたと向き合い、共に考えます。

どんなストーリーを語りたいですか

次に、ストーリー展開という観点から職務経歴書の構成について説明します。まず、これまでの業務について以下の4つの観点で考えて、箇条書きでなく文章にまとめてみてください。必ずしも項目を4つに分けて書く必要はありません。全体としてこれらの内容が含まれていればよいのです。

  • ① 担当業務の内容
  • ② 数字で表せる具体的な実績・成果、およびそれを達成できた理由
  • ③ 数字では表現できない貢献内容、およびそれを実現できた理由
  • ④ その業務を通じて学んだこと

営業職の方でしたら、②は定量的に数字で表現しやすいですが、人事や経理の方は数値目標を立てにくい分、何らか別の定性的な切り口で仕事の質を表現しなければなりませんね。採用担当者は、経験を積むにつれて戦略的にスキルアップし、着実に所属企業への貢献度が増している方、キャリアにブレがない方、言い換えると美しい経歴の持ち主を常に求めています。あなたの年代により、たとえば20歳代の職歴では、職務を通じてどのように成長したかを表現するために④の学んだことの比重を大きくすべきでしょう。30代は第一線で活躍する時期ですので、職歴は②の実績・成果の部分がキーになり、30代後半から40代以上の方はマネージャーとしての役割が求められますので、②はもちろんですが、③の部下の育成やプロセス改善など組織への貢献度、マネージメントとしての力量が注目される情報です。また、転職歴のある方でしたら、④に絡めて、何が転職を決意させた理由か、どのようなスキルアップや新たな挑戦の場を求めて転職したのか、という情報も必要です。こうしたことを意識しならが、各時期の経歴をまとめてください。

転職経験がある方は、職歴の大項目として会社ごとに分けて上記4項目をまとめてみてください。担当業務の期間は人によりさまざまですので、一概には言えませんが、一社の勤務歴が長い方は所属部署ごと、部署異動があっても担当業務に大きな変化がない場合はその担当業務ごとに、または2〜5年をひとかたまりにすることを目安に、小項目にまとめるのがよいのではないでしょうか。特に決まりはありませんので、仕事内容・関連性に応じて、まとめやすいくくりに分けてまとめましょう。大切なことは、あなたが何を担当し、その職務を遂行するにあたって課題が何で、それをどう克服してどんな成果を挙げ、その業務を通じてその後のキャリアに繋がる何を学び取ったのか、筋の通ったストーリーを組み立てることです。

会社ごと、所属部署や担当業務ごとの記載内容が纏まったら、次にもっと大きなくくりでストーリー展開を考えてみましょう。第一に考えるのは、古い職歴から書くか、新しいものから書くかです。英文レジュメと同じように、最近では日本語の職務経歴書も新しい職歴から書くのが一般的になりつつあるようです。直近の内容があなた自身の現在の能力を示す情報であり、最後のページより最初のページにあるほうが採用担当者の眼に留まりやすいので新しいものから書くほうがアピールできるという考えかたです。一方で、古い職歴から順を追って書くほうが説明しやすいし、読み手にも理解しやすいというのも事実ですので、一概には言えませんし、決まりもありませんので、ご自分を語る上でどちらが効果的かという観点で決めてください。 たとえば、営業職から人事を経験した方が、今後も人事畑を歩みたいケースでは新しい職歴から書くほうがよいでしょう。逆に再度営業に戻るために転職を考える方は、古い営業の職歴を先に書くほうがよいですね。エンジニアの方で、スキルアップの過程を説明し、常に新しい技術に挑戦する自分のポテンシャルをアピールしたいとお考えの場合は、古いほうからがよいでしょう。

大きなストーリー展開で考えるべき第二の点は、メリハリです。すべての職歴を均等な詳細さで記載する必要はありません。ネットワークと業務アプリと両方を経験したSEが業務アプリ系のポジションに就きたいとしたら、ネットワーク系の話に重きを置くのは妥当ではありません。営業職から人事を経験した方が再度営業に戻りたいケースでは、当たり前のことですが、人事の経験を詳しく書いてもあまり意味はありません。もちろん、人事の仕事でご自身の営業センスをアピールできるエピソードがあり、それを説明するのが効果的と判断した場合はその限りではありません。
あなたが目指すポジションを勝ち取るために、採用担当者に伝えるべき情報は何か、を明らかにしてアピールしたい部分は詳細を具体的に書き、そうでない部分は概略で済ませる、つまり内容にメリハリをつけてまとめることが大切です。そして、全体としてあなたがどのようにキャリアを積んで今日に至ったか、が読み手に違和感なく(矛盾なく)伝わるストーリー展開を心がけましょう。

職務経歴書はもちろん可能な限り短いほうがよいです。ただし短くする方法論はこのメリハリであり、説明しないと理解してもらえない必要な内容を削ることではありません。分量にあまりこだわることはありませんが、感覚的に目安を申し上げると20台の方でしたら2〜3枚、30代で3〜4枚、40代以上の方でしたら4〜5枚くらいでしょうか。ただ、大切なのはページ数ではなく、コンテンツの質です。あなたが何をどのくらいのレベルでできる方なのかが具体的に記載されていれば、つまり読ませる力がある内容であれば、分量は多めでも読んでもらえるでしょう。一方、SEの方によく見られる、担当プロジェクトをリストしただけの経歴書では1ページ見ただけで採用担当者はうんざりかもしれません。