Career Leaves ブログ

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職務経歴書(業務経歴書)は、採用担当者が得たい情報を過不足なく与え、希望のポジションに就くというあなたの目的を達成するために書きます。一方採用担当者は、あなたのことを何も知らない人であり、求める人材として能力・経験や人柄が適しているか、面接するに値するかどうかを判断する材料を求めています。ときに採用担当者は、日々送られてくる応募書類の山をうんざりしながら見つめているかもしれません。そんな中で、情報の形式的な羅列ではなく、中身のある、キラリと光る職務経歴書にするためにはどうすればよいのでしょうか。よくある職務経歴書のパターンを例に見てみましょう。

営業担当の職務経歴例

2000.4〜2007.12 ABC株式会社
・役割:XYZ商品の法人営業担当として、○○社、△△社など製造・流通業界の新規開拓営業に従事
・実績(予算達成率):2000年 100%、2001年 120%、2002年 95%・・・

上記の例では、どこで何をして、どんな実績だったか、確かに端的に記載されてはいます。しかし、新規開拓の営業としてご本人がどんなスタイルで営業の仕事をできる人なのか、予算達成率の数字の価値は分かりません。たとえば、「XYZ商品はこんなメリット・デメリットがあるので、このように対策を立て、このようにアプローチした」というような内容を含めて記載すれば、マーケットでのポジショニングや営業戦略、営業スタイルなどのセンスやレベル感が伝わります。あるいは、「目標を達成するための課題は何で、その課題に対してどのような対応策を実施し、その結果としてこうなった」という切り口でも、より論理的に説得力のある説明ができるでしょう。予算達成率などの数字の評価はマーケットの事情により異なります。たまたま大口顧客を担当したために苦労せず120%を達成するケースがあれば、不況でもっと落ち込みそうなところをさまざまな工夫や努力で95%に止めたかもしれません。そうした理由や根拠を含めて記載することで、その数字の価値が伝わるのではないでしょうか。次はSEの例です。

SEの職務経歴例

2000.4〜2007.12株式会社ABC
役割:金融系業務システムのシステムエンジニア

期間 プロジェクト 担当業務 OS/言語等
2000.4〜2001.3 ○○システム開発(3人月×12カ月) プログラマー:プログラミング、テスト WindowsJavaSQL
2001.4〜2002.3 ○○システム開発(5人月×12カ月) システムエンジニア:基本設計、詳細設計、テスト WindowsJavaSQL
2002.4〜2003.3 ○○システム開発(6人月×12カ月) サブリーダー(メンバー5名):要件定義、基本設計、詳細設計 WindowsJavaSQL

SEの方は、このように携わったプロジェクトを表形式で書く方がほとんどです。どのくらいの規模のプロジェクトに、どんな役割でどのくらいの期間携わったかをまとめれば、読み手がSEの方でしたらある程度、この方のスキルは想像つくでしょう。しかし、それは「ある程度」でしかありません。多くの開発プロジェクトの場合、計画通りには進みませんね。仕様変更・追加や予期せぬ問題が次々に発生し、納期や予算の達成に苦労するのが常ではないでしょうか。たとえば、プロジェクト遂行にあたりどんな問題が生じ、それをどのように克服したのかを記載すれば、SEとしての力量を表現できます。そのプロジェクトで明らかになった課題や学んだことを次のプロジェクトでどう活かしたのかを、記載すれば、SEとしての成長が伝わります。もちろんこうした表形式のプロジェクト歴も必要ですので、表の前か後に最もアピールしたい事例を記載すればよいのではないでしょうか。ではどんな切り口で、自分がアピールしたい事例を考えればよいのでしょう。この点については、「キャリアプランを考える」も参考にしてください。

そんな詳細をいちいち記載しなくても、面接で説明すれば事足りると思われる方もいらっしゃるかもしれません。が、多くの応募者の中からこの人に会いたい、と採用担当者に評価してもらうためには、その人らしい具体的な内容、仕事のレベル感が伝わるエピソードを文章で表現することが大切です。箇条書きではなく「文章」です。箇条書きは細切れの情報でありストーリーがありませんので、口頭説明の補助ツールとしてプレゼンで利用するにはよいですが、文書のみで書類審査してもらうには舌足らずです。そして、職務経歴書の段階で、文章でこうしたことを論理的にまとめる作業を通じて、頭の中も整理でき、面接の場で質問されても、的確に説明できるようになります。

また個々のすべての業務について、こうした詳細を記載する必要はありません。この会社、このポジションに応募するにあたり、何をアピールすれば採用担当者に関心をもってもらえるのか、自分の能力やポテンシャルを効果的に表現できるのかをよく考えて、詳しく具体例を説明する部分と、サラッと概略だけで流す部分とのメリハリをつけてまとめましょう。