Career Leaves ブログ

キャリアプランを真剣に考えたいあなた、失敗しない転職活動をしたいあなたと向き合い、共に考えます。

あなたの強み/弱みは何ですか

棚卸の第一段階として、自分の強み/弱みを整理するために、自分にできること/できないことをいろいろな観点で洗い出すことからまず始めましょう。これまでの職務体験の中で、この仕事は苦労したが頑張ってやり遂げた、この仕事はあまりうまくいかなかったが多くを学ぶことができてその後の成長に結びついた、などあなたにとって印象に残る仕事、エポックメーキングだった仕事がいくつかあるでしょう。そうした仕事を思い出して、うまくできたこと/できなかったこと、成果があがったこと/あがらなかったことを洗い出してください。エンジニアの方であれば、このプロジェクトは成功した、または納期に間に合わず大変苦労したという事例がたくさんあるでしょうし、営業の方であれば、目標予算の120%を達成した/80%に留まったとか、ある顧客への売込みが成功し案件を獲得できた/他社に取られたという経験があるでしょう。さらに、仕事の成果として顕在化していないとしても、何か提案や工夫をして作業が効率化できたこと、相談に乗ってあげて同僚に感謝されたことなど、一見些細なことの中にあなたのスキルが隠れているかもしれません。

次に、それらがうまくいった/いかなかったのはなぜか、原因を分析してみてください。ここで大切なことは、自分にとって腑に落ちる答えに辿り着くまで、「なぜ」という質問を何度も繰り返して掘り下げることです。では、SEの方を題材にケーススタディで説明します。

あなたは28歳、アプリケーション開発経験5年のSEで、あるサブシステムの開発担当と仮定します。分析事例として、開発プロジェクトのメンバーの一人に遅れが生じたが、自分がリカバーして納期に間に合わせることができたとします。しかし、それは表面的な事象でしかありません。たとえば以下のように、《なぜ》という質問で掘り下げて分析してみましょう。

なぜ一部の開発者に遅れが生じたのか、自分はどのようにしてその問題を発見できたのか

→ なぜその方法を思いついたのか、リカバーするために自分はどう行動したのか
→ なぜその行動を選択したのか

あなたがサブシステムの開発担当の場合、遅れをいち早く発見し、課題解決できた理由として以下の答えに行き着くかもしれません。

  • (a) ○○分野のシステムについて自分は5年の経験があり、担当しているサブシステムだけでなく幅広い知見があるので、各サブの進捗具合を判断できるから
  • (b) 自分は開発作業にのめり込む技術者タイプではなく、率先して同僚とコミュニケーションを図り、技術的な相談にも答えていたので各メンバーの進捗もいち早く把握できたから
  • (c) 常日頃からメンバーの相談役として信頼されていたため、自分の呼びかけに皆が積極的に協力して手伝ってくれたから

さらに観点を変えて、遅れを未然に防げなかった原因を考えてみるのもよいでしょう。たとえば要件定義(開発プロセスの1つ。設計に入る前に、どのような機能が必要かを明確にする工程)にあいまいさが残っていて、開発途中で仕様変更が頻発したのが表面的な事象とします。分析のアプローチとしては、なぜ要件定義があいまいなまま開発を進めざるをえなかったのか、なぜ事前に対策を想定できなかったのか、なぜ頻発する仕様変更に対応できなかったのか、などが考えられます。その結果、以下の答えに行き着くかもしれません。

  • (d) 顧客が要求する納期に間に合わせるためプロマネ(プロジェクトマネージャー)の判断として見切り発車することになったが、仕様調整に忙殺され、プロマネが事前に対策を検討できなかったから
  • (e) あいまいさを残したサブシステムを担当したのはたまたま経験の浅い開発者で、その「あいまいさ」が予測以上の仕様変更を生み、対応し切れなかったから
  • (f) 自分は別のサブシステムの開発担当だが、上記(d)(e)の状況が引き起こす事態を事前に自覚できておらず、プロマネを十分サポートできなかったから

こうした分析を改めてすることで、チームで開発プロジェクトを推進するときの納期管理のポイントは何か、遅れを生じさせないための先手は何か、遅れが生じたらどのような方策が効果的か、などを再確認できれば、次の仕事に活かすことができます。さらに、自分が開発の一担当からプロマネスキルアップするために、プロマネとして必要な能力は何か、今の自分に足りないスキルは何かを明確にできます。

では、これら(a)〜(f)から、あなたならどんな「強み」「弱み」を導き出しますか。一例として整理すると、以下のようになります。

強みは:

  • (g) ○○分野のシステム開発が得意分野である
  • (h) 開発メンバーとのコミュニケーション能力がある
  • (i) トラブルに対応するリーダーシップを発揮できる

弱みは:

  • (j) 開発の上流工程でリスクを読む能力がまだ不十分である
  • (k) 顧客対応を含め、全体を見渡し先手を打つ配慮が足りない

いかがでしょうか。これまでしてきた一つひとつの業務についてこうした分析をし、自分のできること/できないこと整理することで、あなたのコアなスキルを再確認でき、今後どのようなベクトルでキャリアアップを図ればよいかを考える下地ができます。