Career Leaves ブログ

キャリアプランを真剣に考えたいあなた、失敗しない転職活動をしたいあなたと向き合い、共に考えます。

大学で教えるということ5:私が教えられることは何もない

20年くらい前でしょうか。地球やそこに住む人間の可能性、限界に挑戦する人々を描いた「ガイア・シンフォニー」というドキュメンタリー映画を観ました。その中で、トマトの水耕栽培に挑む日本人農学者の姿が強く印象に残っています。たった一粒のトマトの種…

働く主体性を考える2

前回は、インタビュー調査から抽出した実例から、銀行勤務の新入社員が引き起こした問題を見てきました。鈴木さんは、たまたまA社の融資担当になりました。自分の仕事を「与えられた仕事」、「やらされている仕事」という意識から表面的に仕事の意味を捉えて…

働く主体性を考える1

キャリア教育に携わる中で、《主体性》の醸成こそが大学におけるキャリア教育、または大学教育そのもの、さらには卒業後の自律的キャリア形成の礎になると考えるようになりました。この主体性ということを強く意識するようになったきっかけは、昨年、勤務す…

大学で教えるということ4:学生を覚醒させる

4月から、企業の協力により、その企業が新入社員研修で課すレベルの課題を与え、グループで解決策を提案させる授業「Wake up! プロジェクト」がスタートしました。履修対象は全学部の1年生です。この科目は課外学習が週3〜5時間必要なのでその覚悟をもって履…

大学で教えるということ3:それから

大学の教壇に立つようになり、1年が経ちました。 秋学期は、キャリアデザインB、キャリア・ケーススタディ、ビジネス・コミュニケーションと、無謀にも3科目を立ち上げました。春学期の経験から新規開講科目は、1回の授業準備に丸2日必要ですので、準備だけ…

大学で教えるということ2

研究室の机には、大学時代の恩師・Y教授の写真を置いています。 「あなたが学生だった私にしてくださったことを、今度は私もしたくてここにいます。行ってきます」と写真に挨拶して、日々、授業に向かいました。4月に開講したキャリア教育科目「キャリアデザ…

『4つの山を越えよ・ポスト終身雇用時代の転職術』を出版しました

4つの山を越えよ・ポスト終身雇用時代の転職術 ・A5版ペーパーバック 150ページ ・価格:1600円(消費税込:1680円) 転職氷河期の高いハードルを越え、失敗しない転職を実現するための方法論を解説する本です。多くの求職者は転職活動イコール応募活動と求…

さとり世代の学生たち

最近、「さとり世代」という表現をよく耳にします。 インターネットの掲示板で、自然発生的に生まれたことばだそうです。朝日新聞の記事(2013.4.24 朝刊)によると、年齢層としては、10代から20代半ばでゆとり教育を受けた世代にほぼ重なります。バブル崩壊…

大学で教えるということ

4月からある国立大学の講師になりました。 過日、田舎の父親にそのことを報告すると、「お前はそもそも、大学で何を教えるんだ?」と問われ、ことばに詰まりました。 まず通年で「キャリアデザイン」という科目を担当します。キャリア形成のベースになる知識…

オトナは何のために働くの?

ある私立大学で、2年生の正課として、「キャリアデザイン」という講座作りに取り組んでいます。春学期は就業意識の醸成を目的に職業を知るワークを中心に進めました。秋学期は「私の職業観」というテーマで小論文を作成することを期末の目標に、その考える材…

著書「キャリアの手帖」の書評紹介

『キャリアの手帖・36人のケーススタディ』を出版し、一月余りが経ちました。早速、お読みいただいた方々から、ご感想やご意見をいくつか頂戴しました。この場を借りて、お礼申し上げます。今回は、Amazon.co.jpの「カスタマーレビュー」に掲載された書評を…

AO入試対策:一所懸命にのめり込む

今回は、いつもとちがうコンサルティングFileです。 この秋、大学のAO入試を控えた高校生の保護者の方から、面接練習の依頼がありました。AO入試は、学科試験ではなく、面接や小論文などにより出願者の個性や適性を多面的に評価し選抜する入試です。大学入試…

『キャリアの手帖』を出版しました

キャリアの手帖・36人のケーススタディ ―あなたからチャレンジを奪ったら何が残りますか― ・A5版ペーパーバック 150ページ ・価格:1600円(消費税込:1680円) 現代的キャリア課題に立ち向かう20代から50代まで、36人の社会人の姿をケース・スタディとして…

新入社員の壁:今の状態から抜け出したい

学校という教えを授かる社会から、労働により周囲に貢献してその対価として賃金をいただく社会へ、庇護される場から自分で切り拓く場へ、その移行は新入社員にとって未知の体験です。誰もが多かれ少なかれ、さまざまな形で受ける試練ですが、傍で見ているよ…

人の心を動かすことばと姿勢がある

パートタイムで就活アドバイザーをしている大学での一こまです。 「就活、しなきゃだめですか? イヤだなあ。だって、アタシ、バイトでもミスばかり。仕事を覚えられないんですよ。紙に書いても、すぐ忘れちゃうんです。母には、お前を雇ってくれる企業はな…

転職エージェントとの付き合いかた

キャンディデイト(クライアント企業に紹介する採用候補者)の適性やキャリアプランを踏まえ、その方に適するポジションを紹介する。かつ、ご本人の一〇〇%の能力や魅力を職務経歴書に表現し、面接でも適切にプレゼンできるようアドバイスするのが人材コン…

40代、50代の転職活動のしかた

最近、40代、50代の方々から転職活動の相談を何件か受けました。自分でキャリアを振る最後のチャンスと思い切られた方、早期退職制度に乗られた方などです。30代の頃やリーマンショック以前に転職体験があり、それなりに転職のしかたを心得ているとご本人は…

昭和と平成の相克2:チャンスは自分で掴む

タイトな背広がよく似合う若者が、新宿駅改札の人ごみの中からスーと私の前に表われました。遅くなってすみません、と深々とお辞儀する動作がきびきびしています。細身の筋肉質で、一目見てスポーツをしてきた人であることが分かる体型です。「中学から大学…

昭和と平成の相克1:会社に迷惑はかけられない

この懐かしさと違和感は何なのだろう、と私が戸惑いを感じ始めたのはお会いして15分ほど経ったころからでした。「会社には迷惑をかけられませんので。」お会いした1時間半のなかで、幾度となく繰り返されたそのことば。 日野亜紀さん(26歳)は地元九州の国…

あなたからチャレンジを奪ったら何が残りますか

「僕からチャレンジを奪ったら、何が残るというのかね?」 その初老の紳士は自問するように小さく呟やきました。「自分にできることはしたよ。ここから先は仕事を回すだけで面白くない。新たなチャレンジの場がほしいんだ」と。ウエーブのかかったロマンスグ…

偶然を必然に換える

キャリア形成の研究の一つに、社会学習理論と呼ばれるものがあります。キャリア発達には: ・ 遺伝的要因(人種、性、身体条件、性格、知能など) ・ 環境的要因(経済状況、社会状況、地域状況など) ・ 学習経験(これまでの経験から学んだこと、得たスキ…

メンタル疾患:快復と復帰を模索する

職場でのストレスからうつ病や自律神経失調症などを発病し、休職し、最終的に退職なさる方が後を絶ちません。『労働者健康状況調査』(厚労省H19年)によると、職場で強いストレスを感じる労働者は、全体で58.0%(正社員61.8%、契約社員56.2%、パート40.3…

自分の課題をセルフカウンセリングする

キャリアコンサルティングに用いられるカウンセリング技法や理論はたくさんあります。今回は、そんなカウンセリング技法の中で、論理療法と呼ばれるものを紹介します。用語だけ聞くと、なにやら専門的で特殊なテクニックのように感じると思いますが、日常、…

偏差値エリートの岐路:働き甲斐の指標を求めて

「私の強みは顧客のニーズを把握して、状況を論理的に分析した上での提案力、内外と調整し信頼を構築してプロジェクトを推進するマネージメント力です。常に作業効率を考えてプロセスを改善し、結果を出せます。一方、ゼロから何かを生み出す企画力は弱いと…

キャリアの転機に立ち向かう

キャリアとは仕事だけでなく私生活を含め、生きかたそのものであることを、前回のコラムで説明しました。人はそれぞれ、自分の「幸せ」を目指して生きています。長い人生の過程では、仕事や私生活の変化、状況の変化に伴い、私たちはさまざまな選択の場に立…

キャリア発達プロセスの変容

前回、サイトアクセスから分析した社会人の皆さんのキャリア課題について説明しました。こうした作業を通じて、改めて感じたことが2点あります。 ライフロール 第一に、アクセスキーワードに現れた表面的な関心事は、職業上のキャリア課題が中心ですが、背後…

ネット検索ワードからキャリア課題を読む2

前回は、キャリアリーブスのサイトにアクセスなさった方々の、ネット検索キーワードを世代別に分析しました。今回もその続きです。 女性:仕事と家庭生活の狭間で 全体の1.4%と数は多くありませんが、「女性」に限定して、「女性、転機」のような組み合わせ…

ネット検索ワードからキャリア課題を読む1

キャリアリーブスのサイトをオープンして、1年余りが過ぎました。ネット検索で当サイトを訪れた方々の検索キーワードを分析することで、社会人の皆さんが抱える悩みや課題が見えるのでは、と思い立ち、アクセス上位の500キーワードをリストし、分類してみま…

ライフ・キャリアを見据える

《キャリア》という用語を、私も、たぶん読者の皆さんも日常的に使っています。キャリア、またはキャリア形成ということばから、皆さんはどんなことを連想しますか。職歴、昇進、留学、転職、エリート、自分の専門を持つこと・・・。職業または働くことにま…

キャリアの軸を意識していますか

転職を含めキャリア選択の場において、絶対的な正解はありません。あなたが納得して選んだ道が、あなたにとっての正解なのです、とキャリア相談に訪れた方に申し上げます。 キャリアカウンセリングの研究者・宮城まり子さんも、その著書で「個人の顔がそれぞ…

謙虚に、教えを請う

先日、キャリアコンサルタントのスキルアップのための講習会に参加しました。人材紹介業のコンサルタントやハローワーク等の公的機関のカウンセラー、企業の人事担当など、日頃社会人のキャリア相談に応じている人たちが集まっての勉強会で、ロールプレーを…

子育てと夫の転勤と:しなやかに働く

今回は、キャリアコンサルティングというよりも、雑談ベースで伺ったお話を紹介します。産休・育休から職場復帰した山下さんと、2年ぶりにお会いしました。 挨拶もそこそこに、女性が子育てしながら働くときの課題は何ですか、と質問すると、「保育所不足な…

理想のコンサルティングを目指して

ずっと前、私がまだマニュアル制作の仕事をしていた頃の話です。デザインAとBを比べて、ほらAの方が全体が締まるでしょ、という感覚的な説明しかできないデザイナーが多い中で、一人だけ、デザイン理論としてなぜA案が締まって見えるのか、を構造的に説明で…

20代女性の適職探し:節電モードから脱却する

「職場では自分キャラ20%の節電モードです。未経験の仕事で自分が至らない点が多いのは認めます。会議で発言すると、なぜあんなことを言うのか、と叱られたりします。ストレート過ぎるのでしょうか。同僚から付けられたあだ名はガイジンなんです。」半分あ…

仕事の日常を離れて自分を見つめる

今回は旧知の方との雑談レベルでのお話を紹介します。大熊さんは42歳のシステムエンジニア。慶應義塾を卒業後、歴史ある日系大企業に就職します。文系出身で事務系としての採用であり、ご本人が希望したわけでもないのですが、社内情報システム部門に配属と…

同時代の眼と後代の眼

メルマガセミナー「キャリア形成を考える」で、キャリア形成は「筏(いかだ)下りから山登りへ」という大久保幸夫氏の話(『キャリアデザイン入門I 基礎力編』 日経文庫)を紹介しました。その要旨は、「新入社員からしばらくのキャリア形成は、言わば《筏下…

長期化する転職活動を乗り切る

転職市場において、採用のハードルが高い状態が続いています。募集案件の数はまだまだ回復せず、多くは30代半ばくらいまでの方が対象になる募集ですので、40代以上の方々にとっては殊に厳しい状況です。半年、1年就職先を探していらっしゃる方も多いと聞きま…

自分史、それから

前回まで、3回に渡り、筆者自身が自分史を書く作業を通じて考えたこと、編年体でまとめた自分史を《働く動機》という観点から再構成した結果を紹介してきました。筆者がお手本となるようなすばらしいキャリア形成の道を歩んできた、などと考えてはおりません…

30代女性の自分探し:優等生の鎧を脱いでみる

人は皆、企業組織の中で課せられた役割を遂行したり、目標を達成するために頑張ります。その取り組みに迷いなく臨めれば、遣り甲斐を感じますしパフォーマンスも上がります。しかし、違和感を抱きつつの取り組みの場合、仮に結果が出たとしても、ご本人が根…

分析事例3: 自己実現を目指して

職業人人生の集大成となる40代後半から50代、人材育成に係わる仕事に取り組みたいという思いから、私が現在のキャリアコンサルタントにキャリアチェンジしたことは先に述べました。その自分を支える原動力は、ささやかでも世の中に貢献したい、人のために役…

分析事例2: 沖縄の新聞記者になりたかった理由

筆者は学生時代、新聞記者を目指していました。前回、キャリアは必然的偶然の積み重ねと書きましたが、ではなぜ筆者は新聞記者、それも沖縄の地方紙の記者を目指すようになったのでしょう。その動機を自分史から探ってみます。 《働く動機》は仕事の遣り甲斐…

30代半ばの迷い・期待役割の変化に対応する

市場ニーズや経済状況の変化、技術革新により、業界を問わずビジネスそのものも企業の経営方針や組織も絶えず変化し、かつ変化のスピードがこれまでに比べ格段に早くなり、その度合いも大きくなりました。定年までこの企業に、と疑いもなく思っている方でも…

分析事例1: キャリアは必然的偶然の積み重ね

手前みその話で恐縮ですが、筆者の自分史から分析事例を説明したいと思います。無料メルマガ・セミナー「キャリア形成を考える」では、キャリア形成の観点から筆者の自分史を分析しました。すでにご購読いただいた方もいらっしゃると思います。一部重複しま…

自分史から働く動機を探る

最近の大学生の皆さんは、就活においてまず「自己分析」で適職を探るそうですね。その手法の一つが、自分史を辿ることと聞いています。職業体験がありませんので、それまでの自分を辿ることが、私共人材コンサルタントがいう、《棚卸》の作業になります。職…

20代女性の転機・結婚生活とキャリアチェンジを調和させる

20代後半、新卒で入社した企業で仕事に慣れ、一人前に実務がこなせるようになった頃、このままこの会社で、この仕事を続けることが自分にとって適切なのか、との思いが多くの方に過ります。その漠とした不安は、日々の忙しさに埋没し忘れ去られることもあれ…

転職成功者のその後を追う

筆者は前職で丸4年、人材紹介コンサルタントの仕事に携わりました。この間、単なるスペックのマッチングではなく、キャンディデイト(求職者)ご本人のできることとキャリア形成の方向性、パフォーマンスを発揮しやすい組織や社風などの相性を考慮して、この…

40代、50代の挑戦:人生の後半生を構想する

経営層や上位マネージメントとしての能力と実績のある方や、突出した技能をもった方は別ですが、人並みの経験と実績を積んできた多くの40代、50代の方々にとって、2008年後半以降の転職市場は絶望的ともいえる状況が続いています。2008年前半まででしたら、…

30代の不安:この会社では将来像が描けない

30代の方々からよく聞く悩みは、「現在の仕事にも待遇にも概ね満足しています。少なくとも転職の動機になるような重大な不満はありません。でもこの企業では40代、50代になった自分の働く姿が描けないのです」という将来への不安です。 日本の伝統的大企業で…

初めての転職・職業体験を経て適職を自覚する

自分にはこんな仕事が向いている、と明確に自覚して就活に臨める学生はまずいないでしょう。多くの場合、たまたまその時期に関心があった分野や、振り返って思い起こすとあいまいな根拠からある業界や職種に絞って応募したり、手当たり次第に100社以上の企業…

20代の不満:年功序列の呪縛

成果への適切な評価と貢献度に見合う報酬を求めての転職も増えました。終身雇用制の崩壊に伴い、年功序列という日本の企業組織の秩序を支えていたシステムも少しずつ崩れています。年功序列は終身雇用を前提に、仕事内容や貢献度とはあまり係わりなく若いう…